いきもののお母さん 

生きること

3月〇日 晴れ

ボクの頭を撫でながら、おかあさんが言いました。

「きびたのお母さんは偉いねぇ。

4匹も子どもを産んで。

優しいお母さんだったでしょ」

うーん、

三角の耳のおかあさん🐈のことでしょう?

……あんまり覚えていないなあ。


ボクは弟・妹たちと一緒に保護されて、

ボランティアさんに大切に大切に育ててもらった。

赤ちゃんのうちはいつもおなかを壊して、

何度もお医者さんに診てもらって、

ずいぶん大変だったみたい。

おかあさんが

「私は人間だけど、

他の動物のお母さんからいーっぱい、

子育てを教わったの」って。

おかあさんも、

大きいお姉ちゃんと、お兄ちゃんと、ちい姉ちゃんの3人を、

ひとりで育てたんだって。

「小さな3人は、本当に可愛くてね!

でも、これでいいのかな、ってひとりで悩みすぎた。

『私、今このまんま川にポチャン、って落ちたら楽なのかも』

って考えたこともあったの」って!

(こわい、こわい!何言ってんの、おかあさーん!)

「でもね、人間以外のいきもののほとんどが、

ひとりでも命がけで、子供を産んで育ててる。

だから、馬や猫、鳥やカエルや海の生き物も…

みんなすごい。

みんなの子育てを見て、本当にたくさん勇気をもらったんだよ。

だから、ひとりぼっちで

泣いているお母さんがいたら、

私がいっぱいなでなでしてあげたい!」

って笑っていた。


いきもののお母さんって、

みんなかっこいいね。すごいんだね。

三角の耳のおかあさんにも、なんだかちょっと会いたくなっちゃった。

今日は大好きな毛布、

たくさんふみふみして寝ようっと。


明日もいい日になりますように。

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