きびたのお母さんは偉いな。
4匹も子どもを産んで。
ひとりで最後まで頑張ったんだね。
そういえば、高校生の頃に
友達がこんな質問をしてきたのを思い出す。
「《素敵な奥さん》と《良いお母さん》だったら、
どっちに憧れる?」
私は即座に
「お母さんのほうかな」と返事をした。
理由があったから。
小学生のころ、
ムツゴロウ王国の
テレビ番組が大好きだった。
ある日、羊の出産の場面があった。
詳しくは忘れたけれど、
親羊が出産前から病気があって
大変弱っていて、
出産には体力が追い付かず
まもなく亡くなるだろう、と
説明がされていた。
なんとか赤ちゃん羊は誕生した。
けれど
母羊はもう、息も絶え絶えで
立ち上がることさえできず、
目だけで子を追っている。
初乳を飲めない子は
大切な免疫も得られないから
長く生きられない可能性がある、という。
母羊は、そのことを
理解しているようだった。
最後の力を振り絞って立ち上がり、
足を震わせながら子羊を誘う。
生まれたばかりの子羊は、
かなりフラフラしながらも
ようやく探り当てて
母親の初乳を飲むことができた。
その時の母羊の《ああ、よかった!》
という、安堵したその表情を
今でも私は鮮明に思い出すことができる。
直後、母羊が安心したように体を横たえて
まもなく息を引き取った。
私は ボロボロボロボロ
ただ、涙を流していた。
死が悲しかったからだけではなく
母羊の強さとやさしさに圧倒されて
「私もこんなお母さんになりたい!」
と、心から強く思ったから。
数十年後の自分の出産は難産で、
お産直後に頭部の異常で
NICUに搬送された長女、
黄疸がかなり長引いた長男。
出産だけじゃない。
子育ては、予想外の我が子の危機とも、
いつも隣り合わせだった。
大きくなるまでに様々な困難があったけれど
この子は必ず自分が守る、と
片時も揺るがず強く思った。
いつも思い出していたのは、
あの時の、お母さん羊のことでした。
自分の命よりも大切なものがあると
いきもののお母さんは本当に強くなる。
それでも、もしもいつか
子どもに何か
思いがけない出来事があったとしても
お母さんは、
自分を責めちゃいけないと思う。
いきものとしての
母の強い思いに嘘はないから。
子どもは、そのお母さんの強い祈りを
ちゃんと心に残しているから。
だけどなあ…
私は《良いお母さん》にはちょっと
なれていないかもしれないけれど。
きびたの気持ち
うーん…
ボクの三角の耳のおかあさん🐈?
あんまり覚えていないかな。
でも、おっぱいのいい匂いがしたのは
ときどき思い出すよ。
おかあさんの話をきいてたら、
三角の耳のおかあさんにも
ちょっと会いたくなっちゃった。
夜はおかあさんのお布団にもぐって
ボクの大好きな毛布、
たくさんふみふみして寝ようっと。
明日もいい日になりますように。